コラム
21.07.31ストーリー思考とは
私がこの言葉を使用するときには「一つの行動(打ち手)から出来るだけ多くの効果を得られるようにする思考法」のことを意味している。
前回のコラムで「一石二鳥」「一石十鳥」「一石百鳥」という言葉を使って表現したが、まさに一つの行動(打ち手)の効果を2個、10個、100個と、出来るだけ多く得るようにする思考法をいう。
一見当たり前のことで、「そんなことは日常的にやっていて、何ら目新しいことではない」と言われそうだが、意外とやれていないのが実情ではないだろうか?
例えば、私は約1年前に軽井沢に移住した。そして、弊社の事務所(登記)も移住に伴って東京から軽井沢に移した。この行動をとる際に、私は公私ともにどのような効果を得られるか思いつくままに洗い出した。
つまり、「軽井沢への移住・軽井沢へのビジネス拠点の移転」という行動(打ち手)をプライベート、ビジネスの両面においてどれだけ多くの効果につなげるようにするのかを考えるということである。
ここで、人や企業が何らかの行動をとろうとする際には、主たる目的があるので、その目的の実現のためにどのような手段をとるべきかを考えるのだが、主たる目的に留まることなく、他に効果として狙えそうな行動の目的をできるだけ挙げてみることにストーリー思考の本質がある。特にビジネスにおいては行動(打ち手)のメリット、デメリットを踏まえ、経済合理的に判断をしていく必要がある。そして、デメリットがない行動(打ち手)などない。必ず何らかのネガティブインパクトは存在する。ということは、多重効果を狙い、メリットをできるだけ多く得る思考と実際に狙った効果を得ていくことが必要不可欠である。また、経営のリソースには制約がある。この限られたリソースを活用した行動一つ一つの効果をできるだけ多くできれば、「アウトプット/インプット・プロセス=生産性」の向上につながる。
「一つの行動(打ち手)」のレベル感は問わない。どんな小さな行動をとるときでも「多重効果」を狙う思考が公私ともに人生を豊かにしてくれると私は思う。
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